2013/09/01

セラフィック・ルシファー



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オールスターバトルを我慢して休日返上で作業をし…
完成しました!セラフィックモードルシファー!!!




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今回のアピールポイントはズバリ、ヒビ割れッ!
これがやりたかったが為にこの題材を選んだと言っても過言ではありません。
クラッシュモデルにヒビを入れるのはナイフで切込を入れたりリューターで削るなどありますが、これほどまでに細かい亀裂は今回の技法を使わなければ再現できません。
だがそれ故にリアルな感じが出てると思うのですが、以いかがでしょうか?




で、どうやってやったのかと言うとこちらのジョソーニャ・クラックルメディウムという特殊な溶剤を使用します。
これは塗膜の上から筆で塗る事でクラックを入れることができる画材です。
これを使って『サフ→下地(亀裂から見える色)→本体色→クラックルメディウム』という感じで塗っていけば上の様な効果が得られます。
ただし、これを使用するには下地を含めてアクリル塗料でなければならないようです。
詳しいやり方は下のG-WORLDと言う本に書かれていますが結構お値段張るので、このやり方だけ知りたい方はモデルグラフィックス2009年7月号をご覧になれば載ってます。



WildRiver’s G-WORLD 『円形劇場』演出師 Wild River荒川直人 ガンダム情景作品集WildRiver’s G-WORLD 『円形劇場』演出師 Wild River荒川直人 ガンダム情景作品集
(2011/05/13)
WildRiver荒川直人

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まず下準備としてサフを吹いてからアクリル塗料でヒビを入れたい付近を黒塗りします、
で、上から白を重ね塗りしてメディウムを塗ればヒビが入るので、エナメル塗料か油彩絵具で墨入れしてやれば一丁上がりです。
一部だけ黒にしたのは上から塗る色が白だったので下地の色が透けるのを危惧した結果ですが、実際にやってみたところ意外と発色してくれたので、全部黒で塗っちゃっても良かったっぽいです。
アクリル塗料であれば大抵の色は大丈夫そうなので、赤い色から青い亀裂が見えるといったサイケデリックな表現も可能です。
脚部分に入ったオレンジの亀裂もオレンジを下塗り→上に黒を塗ってクラックルメディウムで亀裂を入れるという感じで作りました。
更に言うと金属色でも有効なようで金色の部分にも問題なく亀裂を入れることができました。






この技法は面白い効果を得られるのですが、以下の二つの特徴があります。それは『アクリル塗料じゃないとダメ』である事と『亀裂を入れるのは一発勝負』である事です。
私を含め、まずほとんどのモデラーがアクリル塗料なんて使ったことがないでしょう。
たまにスケールモデルを作る人が筆で人形を塗るときに使うことがあるようですがエアブラシで使うという人は見たことありません。
それ故通常の塗装とやや勝手が異なる部分があります。
まず、すごい粘る。溶剤がドロッとしててエアブラシに入れるとやたらこびり着きます。
力を入れてこすらなきゃ取れないので綿棒必須です、逆にいれば綿棒があれば掃除はそんなに面倒じゃないんですが。
二つ目はとにかく隠ぺい力が薄い。
隠ぺい力最強の黒でも一回の塗装じゃサフが微妙に透けて見えたのにはビックリしたぞ。
にも関わらず何故か白を塗ったときは綺麗に発色して3回くらい吹いただけで下地の黒もほとんど気にならないほど隠蔽してくれるというよくわからん具合になったが。
三つ目は塗膜が弱い。ラッカー塗料に比べると食付きが悪く、ちょっとこすると剥がれてきます。
チッピングを入れるときなどは有効かもしれませんがマスキングには耐えられるかどうかかなり怪しいので注意が必要だと思います。

とは言え、悪いことだけではありませんでした。
まずなんといっても乾燥が早いです。
どのくらい早いかというとエアブラシで使うために溶剤で割った塗料を塗料皿に入れておくと塗ってる最中に揮発して固まるくらいです。
パーツが多いなら全てのパーツを塗り終わったあと、最初に塗ったやつから再び重ね塗りができる位に早い。
重ね塗りが短時間でできるため隠ぺい力の弱さという弱点を補っていると思います。
調べたところによると水を少々加えれば乾燥時間をコントロールできるみたいですね。
水と言うのがお手軽で使い勝手がいいと思います。
また、塗膜が弱いなどの欠点を除けば見た目的にはラッカー系塗料と思ったほど差異はないです。
メタルやパールなどの繊細なカラーリングを求めなければ十分実用に足るものだと思います。
感想としては思ったよりずっと使えるものでした。
正直、アクリル塗料なんて発色も悪くて隠ぺい力が弱く、ムラができやすいみたいな偏見を持っていたのですが性質をうまく把握すれば全然使える物だと言えるでしょう。
何気に、匂いがラッカーほどキツくないのも家族同居のモデラーとしてありがたいです。



もうひとつの要素は『亀裂を入れるのは一発勝負』な所です。
クラックルメディウムが効果を発揮するのは最初の一塗りだけの様でして、後々亀裂が少ないので足そうと思って重ね塗りしても割れてくれません。
加えてどんな割れ方をするのかというのは湿度や温度で異なるようで結構運任せなところがあります。
事実、私も顔面はもう少し派手にひび割れてオレンジ色が露出してくれればと思ったのですが…
考え方を変えれば温度や湿度の調整でヒビの入れ具合を変えれるということなのですがその域に達するまでには練習を重ねる必要がありそうです。



実は製作中にアクシデントがありまして、右足のスネパーツが行方不明になりました。
近くの店を巡ってもHFルシファーはどこも売り切れだったので、泣く泣く右足はコアスケルトン剥き出しの状態になりましたとさ。
とは言えフォローが効く部分でよかった。
頭の装甲とかゴマカシ様がない部分だと詰んでたよ…
と、いうわけで4年前にモデグラでこの技法を知ってから初めて使用しましたが楽しいですね。
ヒビが入っていくのを観察すると実にテンション上がります。
なのでこれを使ってもう一点くらい何か作品を作りたいですね。
ていうか、そうしないとクラックルメディウムが余りまくるんだよな…

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コメント

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完成おめでとうございます!

 エズフィトさん!!まずは完成おめでとうございます。
それにしてもあのひび割れ・・・くぅぅぅぅぅうぅぅかっこいい!!
自らの技術向上と新しい技法を取り入れるチャレンジ精神お見事です。
それにしてもアクリル塗料にこんな使い方があるなんて・・・
またひとつ教えていただきました。
ありがとうございます。

「これがルシファーの真の姿だったのか!きれいだよルシファー・・・!」

完成おめでとうございますm(__)m

原作とはまた違った邪悪さが伝わってくるルシファーですね!
怪しさを醸し出すかのような、クリアパーツのカラーリングに驚きました!

自分の中での半壊は、羽やアーマーが砕けたイメージなのですが、それだけでなくひび割れを再現するために「多くの工程」も印象的でした!
エアブラシ万能ですね!( ^∀^)

余談ですが、私もブログを書いております。FCブログではないため伏せて書きましたm(__)m

やばいぃぃかっこいい!!
このルシファーを見てると中二病に目覚めそうだ

半壊の再現がとてもリアルですばらしいです

Re: すごい

> 羽の付け根の皹も、下地のむき出しもものすごい!
> 感動しました。


ありがとうございます!
付け根の部分はダメージ加工せず、クラッキングだけで損傷を表現するという感じで攻めたのでそこを褒めてもらうと嬉しいです

Re: 完成おめでとうございます!

>  エズフィトさん!!まずは完成おめでとうございます。
> それにしてもあのひび割れ・・・くぅぅぅぅぅうぅぅかっこいい!!
> 自らの技術向上と新しい技法を取り入れるチャレンジ精神お見事です。

ありがとうございます!
お褒めに預かり恐縮です。雑誌の受け売りとは言え上手くいってよかった…
新しい素材や技法はどんどん試していきたいですね!


> それにしてもアクリル塗料にこんな使い方があるなんて・・・
> またひとつ教えていただきました。
> ありがとうございます。

私自身も結構なショックを受けました。
アクリル塗料使えるじゃん!!
何か筆塗りで塗装するものとかあったらアクリルでやってみようかなと思いました。
次は水性ホビーカラーの可能性を模索するぜ!(E~~!?

Re: くまでさん

> 「これがルシファーの真の姿だったのか!きれいだよルシファー・・・!」

アニメでもセラフィックルシファーはかっこよかったですね!
このセリフのあと1分でやられなければもっとかっこよかったのですが

Re: 完成おめでとうございますm(__)m

> 原作とはまた違った邪悪さが伝わってくるルシファーですね!
> 怪しさを醸し出すかのような、クリアパーツのカラーリングに驚きました!

クリアパーツはガイアカラーのフラットブラック→Mrクリスタルカラーのルビーレッドで塗装しました。
アニメみたいに血のような赤色もアリかなと思ったのですが全体の兼ね合いを考え、暗い色にしたのですが驚いてもらえた様なのでこちらで正解でしたね。


> 自分の中での半壊は、羽やアーマーが砕けたイメージなのですが、それだけでなくひび割れを再現するために「多くの工程」も印象的でした!
> エアブラシ万能ですね!( ^∀^)

エアブラシ様様ですよ…
いろいろな塗装表現もこれがあってこそですからね。
安物ですが、趣味で使う分には充分事足ります

Re: ふぃねすさん


> このルシファーを見てると中二病に目覚めそうだ
> 半壊の再現がとてもリアルですばらしいです

私の作品で誰かの心が揺さぶられる。
それはとってもうれしいな…って。
写真もうまい具合に光があたってくれて助かりました。
持っていかなくちゃいけないんで割と適当に撮影してたものですから…

何これめちゃかっけぇぇぇ!!!お疲れ様でした。

素晴らし~ひび割れ!

エズフィト様

こんばんは~m(_ _)m
コメント遅くなってしまいました!
私の作っているのとは正反対の作品です!
いや~素晴らし~ひび割れ!
こんな技法があるんですね!
私も機会があれば使ってみたいと思います!
特殊モード好きの私もセラフィクモードだけはあきらめていました。やってみたいけどきれいなルシファーがもったいない気がしたりで(^_^;
とても勉強になりました!

Re: ルキエЯさん

> 何これめちゃかっけぇぇぇ!!!お疲れ様でした。

ありがとうございます!休日を返上して制作した甲斐がありましたぜ。

Re: 素晴らし~ひび割れ!


> 私の作っているのとは正反対の作品です!
> いや~素晴らし~ひび割れ!
> こんな技法があるんですね!

私も初めて見たときは目からウロコでした。
画材を模型に転用するその発送とアクリル塗料なら使えることを証明した探究心!
荒川さんは私の中でもトップクラスに偉大なモデラーです。


> 私も機会があれば使ってみたいと思います!
> 特殊モード好きの私もセラフィクモードだけはあきらめていました。やってみたいけどきれいなルシファーがもったいない気がしたりで(^_^;
> とても勉強になりました!

実は自分もHFルシファーに手を入れるときちょっとだけ躊躇しました…
素組でも非常に良い出来なので『ヘタに手を入れるより普通に作ったほうが出来がいいんじゃないか…?』と言う疑心が拭えませんでしたね。
クラックルメディウムはまだまだ可能性を秘めていると思うので是非とも世界で誰も発見したことのない新しい使い方を見つけてみてください!

しびれました

こんにちは。
セラフィック・ルシファー完成おめでとうございます!!

クラック(ひび割れ)仕上げにしびれました!!
これは・・・イイィッッ!!
すごくいいです!!

正直表題の作例は先人の多くの作例を目にして来ているので、こういう表現で来るとは予想しておりませんでした。
無印なんかのアーマーフレーム全体にひびの入ったブレイクオーバー直前のLBXの姿を思い出しました・・・

Re: シンニィさん

> こんにちは。
> セラフィック・ルシファー完成おめでとうございます!!
>
> クラック(ひび割れ)仕上げにしびれました!!
> これは・・・イイィッッ!!
> すごくいいです!!

ありがとうございます。
作業自体は簡単なのですが出来上がりは運任せと言うのが難点ですね。
そのへんを上手くコントロールできるようになればよりヒビを目立たせることができるのですが…


> 正直表題の作例は先人の多くの作例を目にして来ているので、こういう表現で来るとは予想しておりませんでした。
> 無印なんかのアーマーフレーム全体にひびの入ったブレイクオーバー直前のLBXの姿を思い出しました・・・

結構うまくいったんで他のLBXでもやってみたいですね。
ヒビといえば半壊してからが本番と言われるジンのLBXとか。
エンペラーにゼノン、トリトーンなんかもイイなァ…