2015/08/20

LBX列伝 神威島奇譚④


・6日目

ついに20機近くのLBXが制御不能に陥った。
全てのLBXが一斉にロストエリアへ進軍を開始した。
またロストエリアか、ていうか異変が起きそうな場所なんだから封鎖しとけばイイのに。
他のエリアから向かってくるパターンも多いからダメなのか?


直ちに生徒会によって防衛戦が作られる。
操られたLBX達は単純に行進するだけなので迎撃するのは容易い。
だが、その中の一機。ジェノック第5小隊、吹野タダシのDCオフェンサーのみが攻撃を始める。
すかさずバル・ダイバーが右腕をケジメして事は済んだかに思えたが・・・




その黒い獣はバル・ダイバーの頭上を軽々と飛び越えた。
その一瞬の間に期待の形状を把握する。
ヒカルの目が大きく開かれた。
・・・ディ・エゼルディ・・・!?
間違いない。見覚えのあるその機体はワールドセイバーの幹部の一人、セレディ・クライスラーがこの神威大門統合学園の生徒たちを恐怖のどん底に落としたLBXだ。



突然現れたのはディ・エゼルディ!
フィールドを歩いていたらいきなりゾーマが襲ってきたかのような衝撃がヒカルを襲うッッ!!
ディ・エゼルディの恐ろしさを身に染みて知っているヒカルにとってこれを見過ごす訳もなく、すぐさま追跡する。
そこにハルキとムラクも加わって三人で向かっていくこととなった。
奇しくもかつてディ・エゼルディと交戦した3人である。
あの時はアラタがいたが、今は・・・




森林地帯を移動するディ・エゼルディを上空から追跡する三人。
・・・その時である!ハルキのライディングソーサーにビームが被弾する。
紛れもなくソードビットのビーム照射だ。
ハルキを気遣うまもなくビームの猛爆が三人を襲う!


『必殺ファンクション!』
ムラクの声が聞こえた。
『アタックファンクション・カタストロフィ・D』
マグナオルタスが3機に分身し空中に躍り上がる。
構えられた剣が3つの方向から振り下ろされた。
3本の光の刃が森林地帯の一部に目掛けて激突する。
ドンッ!
重い音で土煙が上がる。と、その中から紅い刃が浮き出てきた。
「ソードビット・・・!」


ムラクの必殺ファンクションが正確にソードビットを捉える。
だがソードビットを破壊できない。なんという頑丈さだ!!
かつてマグナオルタスはディ・エゼルディにカタストロフィ・Dを仕掛けたことがあったがバリアによってアッサリ封じられた。
マグナオルタスとディ・エゼルディは相性が悪いのかも・・・
辛くも攻撃をしのぎ切った三人だったがディ・エゼルディを取り逃してしまった。
煮え切らない思いを抱えつつ、ウォータイム終了のアナウンスを聞くのだった。




その夜、生徒会役員室はオツヤめいた雰囲気に支配されていた。
LBXの暴走、ディ・エゼルディの出現。日に日に重くなる事態に有効な手立ては愚か原因すら掴めないでいた。
このままでは政府の介入を余儀なくされるのは時間の問題だ。



「どうしますか?会長」
ハルキが判断に迷う様子を見せながらグレゴリーを見た。
「状況が状況だけに、学園長への報告をした方がいいとは思いますが・・・」
カゲトラが心配そうな顔をしてグレゴリーを見た。
「同時に、このことを公にすれば、また学園への批判を招くことになります。」


カゲトラは沈痛な面持ちでグレゴリー会長に意見する。
すっかり中間管理職が板に付いてきていますね。
スズネのお守り意外にもアクの強いメンバーに挟まれて大変だ。




「ここは生徒たちだけでこの件を解決するべきだと思います」
ムラクが全員を見回していった。
「確かにムラクの言ってることも分かるけどさ。」
イスズが腰に手を当ててムラクヲ見た。
今は生徒の数も少ないし、瀬名アラタもいないじゃない?どうやってディ・エゼルディと戦うつもりなの?
「今の戦力で戦うつもりです」
ムラクがイスズを見返す。
「勝算はあるわけ?」
イスズがじっとムラクの眼を見た。
「わかりません。ですが、それ以外に学園を存続させるためにできることはないと思います」


またムラクが無茶なことを言い出す。
言ってることはかっこいいが要するに『よく分かんねえけどぶっ壊せば一緒だろ』的なことを言ってるのと変わらない。
どうしてこんな性格になっちゃったんだか。
見てないところでアミさんの血液でも輸血したのだろうか?
その内ストライダーフレームに執着したり4カ国後を話し始めたりするかもしれない。


ともあれ、ムラクの言い分も満更おかしいわけではない。
ただでさえ、神威島事件で世間の目が冷たいというのにこれ以上問題が起きれば学園存続に関わるのだ。
究極の二択を前にしてさしものグレゴリー会長も考える時間が欲しいという。
豪放磊落で鳴らしている彼ならば直ぐにでも闘うという選択を選びそうなものだが、いざという時は冷静な判断力を持っているからこそ会長という要職につけるのだ。
パワータイプだが頭脳も回る、アメリカで人気爆発するタイプですね。
会長はしばらく生徒たちにウォータイムを自粛する連絡を下すが、カゲトラが学園祭の予算はどうするんですかと提言する。
当然ながら『そんなこと言ってる場合か!』と怒鳴られるのだった。
もうすっかりカゲトラは苦労人が板についてきている。
江戸時代なら、お家の責任を取らされて真っ先に切腹をするポジションだな、こりゃ。




会長の命を受け、メカニック陣は暴走の原因を探るため奔走する。
唯一わかったのはセカンドワールド休止中には動いていないため、ディ・エゼルディもまたウォータイムの支配下にあり、外部からの操作でないという事だった。
しかし肝心のディ・エゼルディの居場所が特定できていないため、物理的に排除することができない。
やはり、アラタ抜きで戦うしかないのだろうか?
ひかりの玉なしでゾーマと戦うくらいに厳しい。
まあ、今やってる艦これのイベントも似たような状況で強引に突破した提督がたくさんいたけど。
ヒカルは一人、食堂であれこれと思索に暮れる。


『ヒカル』
呼びかけてきたのはユノだった。今回の事件を受けて、多くの生徒たちがまだ学園内に残っている。
『どうした?』
『どうした、じゃないわよ。すっごい暗い顔してるけど、大丈夫?』
その言葉にヒカルは少し微笑んだ
『ありがとう。けど、大丈夫だ。心配ない』
『そう?ならいいけど』
そう言いながらユノはヒカルの前に座った。
『ね、今回の暴走事件ってさ、何かあれを思い出さない?』
『あれ?あれって何だ?』
『ディテクター事件。あの時も突然LBXが暴走したって話じゃない?』


ディテクター事件!
まさかWARSの外伝でその名前を見ることになろうとは!!
ここでWを見たことのない人のために説明しなければならない。
ディテクター事件とは、WARS世界から4年前、大量のLBXが一斉に暴走を始めるという現象が世界中で起きたLBX世界の暗黒史である。
原因は突如現れた謎の組織ディテクターであり、その首魁は山n罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰
・・・・・・犯人は当時のA国副大統領アルフェルド・ガーダインによる自作自演であり、山野バンをはじめとする正義のLBXプレイヤーの手によって正義の鉄槌がくだされて投獄されました。
なお、この一件に山野純一郎博士は一切関係ありませんのでごあんしんください。


まあ、とにかくこの世界では一度組織的なLBXの暴走事故があったのが事実だ。
ユノの言うとおり確かに勝手に動き出すLBXの群れという点で今回の事件はディテクター騒動と一致するものがある。
ディテクター事件はそれこそLBXが一般化される前から仕組まれた事件だった。
市販化に当たり、暗黒メガコーポであるオメガダインが暴走のトリガーとなり得るMチップの搭載を義務付け・・・
ここでヒカルに電撃走る・・・ッ!



『Mチップ?』
『ああ。ディテクター事件の時に、LBX暴走の原因となった制御パーツだ。』
息を切らしてやってきたヒカルに驚きながらサクヤは言った。
『でも、Mチップなんて、ここのLBXには搭載されてないよ。それに、ディテクターみたいな特殊能力をディ・エゼルディが持っているとすれば、この前の戦争の時に使ってるんじゃないの?』



ヒカルはすぐさまメカニック勢にこの閃きを打ち明ける。
しかしMチップはガーダインが捕まった後に既に全てのLBXから外されていた。
ましてや市販品でもない学園専用LBXに使われているはずが・・・ところが、タケルはこの説を支持していた。
タケルは「前にお姉ちゃんに聞いたことがある」テリーマンのような口ぶりでかつてアルテミスと同時に起きた大統領暗殺作戦の話をする。
ここでWを見たことのない人のために説明しなければならない。
大統領暗殺事件は前作Wにて、界大会アルテミス開催中に起きたA国大統領のクラウディア・レネトン首相の暗殺未遂事件である。
主犯であるジャッカルはプレイヤーとしてアルテミスに出場し、対戦するふりをしながら特殊ルーターLBX・シーサーペントを介してCCMのデータを演説が行われているアロハロア島へ送り、待機しておいた狙撃用LBX・アサシンにとって誰にも怪しまれることなく大統領を葬ろうとした。
しかしタケルの姉であるアスカがジャッカルの使用するLBXとCCMの動きが異なることを見抜き、結果的に山野バンをはじめとする正義のLBXプレイヤーの手によって正義の鉄槌がくだされ、ジャッカルは投獄されたのだった。
そしてそのルーターLBXこそ、マヤがLBX塚で拾った謎のLBXである。


『そうか!そういうことか!』
サクヤも納得したように叫んだ。
『バンデットのプレイヤーたちが、どうやって身分を隠して活動していたのか気になってたんだ。
つまり、彼らはそれぞれの所属国の機体で出撃して、このシーサーペントを介してバンデットのLBXを操っていた・・・』


視聴者にとって放映時から謎だったバンデットのカラクリがここで明かされた。
成程、シーサーペントを使っていたのか。
おそらく、メンバーたちの中でウォータイムに出撃する予定のない者らがシフトを組んで出撃していたのだろう。
そう考えると初登場時、キョウジが保健室でサボっていたのも説明がつく。
定期的にサボる事で、たまにいなくても怪しまれないような環境を作っていたということだろう。
いや、保健室で寝てたってことはありゃ本当にサボってただけか?

しかしシーサーペントは『遠距離から操作可能にする』というだけで『他のLBXを操作する』能力を有してはいない。
またしても空振りか。だが、暴走したLBXを再確認したヒカルはある事実に気づく。
ロノ、オーディーンM、ガウンタ、グレイリオ、DCオフェンサー、セイレーン・・・
ディ・エゼルディの支配を受けるのは全て汎用量産だった。
『原因こそ特定できないが、生徒が独自に設計したLBXはジャックされないのでは?』
それが彼らの出した結論だった。
HJ連載時からの謎がまた一つ明かされる。
構造が違うから暴走しないってのは結構単純な理屈でしたね。
てことは、ドットブラスライザーとかバル・ダイバーってフレームのレベルで一から設計されてんのか?
コアスケルトンくらいは使いまわしそうな物だが・・・なんとも手間のかかる機体である。
そんなメンテナンス性最悪そうな機体を3機も同時に受け持ってたサクヤは色々と凄すぎる。




なんにせよ、ディ・エゼルディの支配を受けないLBXのみ戦える状況となった。
さっそく学園中からハンドメイドのLBXとプレイヤーが召集された。
ヒカルのバル・ダイバー、ハルキのトライヴァイン、ムラクのマグナオルタス、ユノのドットフェイサー、リンコのオーヴェイン。
さらに、アラタのドットブラスライザーをスズネが使うことに・・・
ってスズネ!?ナンデ!?
いや、考えてみればゲームだと彼女は女アラタといっても良いポジションだった。
性格も似てるし、デスワルツブラザーズ退学の折に謝罪に向かったのもスズネだった。
つまりスズネは殆どアラタといっても差し支えない。ならばドットブラスライザーも使えるはず!!!
オーバーロード覚醒者でないという最大の問題が残ってるけど。
普通免許で戦車を動かすより難しそうだ。


さらにガウンタ・イゼルファーをヴァネッサ、ヴァンパイアキャット・ミリタスをカゲトラが使うこととなった。
ここでは書かれてませなユウトのスキュレイムもハンドメイド機のようですね。
ちなみにガウンタ・イゼルファーは良くてもグレイビーストはダメらしい。
じゃあガウンタ・イゼルファーも基礎から作った機体なのか・・・ってそれもうガウンタじゃなくね?
ムラクはロシウスにとってシンボリックなプレイヤーだから使う機体もロシウス色が出てるものじゃないとダメだったとかそういう理由があるのかも。



かくして数は少ないものの精鋭が集まり、翌日のウォータイムへと備えることとなった。
ヒカルは部屋に帰ろうとした際、女生徒と廊下でぶつかってしまう。
これはフラグか!?恋する季節がやってきたのか!?
確かにヒカルはクラスで一番目立つ王子様だな。
透き通るような白い額に暗めのブロンドの髪、青い瞳。ぶつかった少女はマヤ・ノヴァックだった。
落ちた荷物を拾い、そそくさとその場を後にするマヤだったが、ヒカルは足元にハートのペンダントが落ちていることに気がついた。
しかしまあ、マヤの外見が推測できるのはこの小説でもこの一文だけですが、紛れもなくグッドルッキングな美少女だというのがわかりますね。
マヤはある意味このストーリーの裏主人公とも言える存在だ。
二つの線が重なりあって物語はどのような進展を見せるのか!?


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2015/08/15

LBX列伝 神威島奇譚③


・5日目

ユウトの暴発事件の翌日、またしてもLBXが操作不能になる事故が発生した。
オーディーンMが勝手に変形して墜落し、その周囲にいたLBXを多数巻き込む大規模な事故となってしまった。
当事者はやはりバンデットが現れる直前と同じノイズを感知していた。
まさかワールドセイバーの残党が潜んでいるのか?
ジオン軍やヒドラみたいに残党がしぶとく抵抗を続けるのはお約束だし、実際作中の時間軸ではA国でワールドセイバーの残党がヒロを利用しようとしている。
でも考えてみるとダンボール戦機の世界って悪の組織の残党が出てきた試しがないな。
イノベイターもガーダイン一味も見えないところで徹底的に根絶やしにされたのだろうか。
神谷藤五郎がW以降出てこないのはまさか・・・
事実なら比叡山の焼き討ちをした織田信長もビックリな殲滅っぷりですね。
仮にワールドセイバーに残党がいるとしたなら前に作品の組織と比べて何が違うのだろう。
・・・山野博士に関わったかどうかかな。
下手にあのオッサンに手を出さなかったことがワールドセイバーの命をつないだのかも。


まあワールドセイバーが存続しているのは事実だとしても、学園祭編の時に生徒も職員も全て潔白だと証明されている。
しかし今回の事件はワールドセイバーの影が見え隠れしている。
一体どちらが真実なのか?
生徒会が混乱しているとサクヤが墜落したオーディーンMの軌道に不自然な点があることを発見した。




『この軌道、何か変じゃありませんか?』
『・・・この半円形の軌道、確かに変だな』
『そうなんだ。仮にデスフォレストを目指すとなれば、直線距離の方が圧倒的に速い。でも、わざわざ半円形を描くなんてなにか不自然じゃないかな?』


旧グレンシュテイムを発進したオーディーンMはアフリカ北部へ行った後、急転換して半円形をの軌跡を描きながら海を越え、デスフォレスト周辺で墜落した。
つまりドイツからロシアに行きたいのにわざわざアフリカを経由するのはおかしいって寸法だ。
もっとも実際の航路だと燃料補給や乗客を乗せる都合で直接向かわないこともあるんだけど。



『だが、コントロールを失った後のことだ。どんな飛行経路になるかはプレイヤーにも決められないんじゃないのか?』
カゲトラがサクヤを見る。サクヤはそれに首を横に振った。
『もし仮にコントロールを失ったとして、その時このオーディーンMは何の影響に従って動くと思う?』
『何って・・・そりゃ誰も操作してないんだし・・・』
カゲトラが言うとそれもサクヤは否定した
『重要なのは、この機体は飛行形態だったこと。その場合、コントロールされていない機体は普通だったら外的要因で進路が変わるはずだ』


セカンドワールドは地球の環境が気流や天候すら再現されている。
故にオーディーンMが勝手に飛び回った場合その影響を受けないはずがない。
ところがこの機体は勝手に動いてるに割には機動がしっかりしている。
やはり何者かのハッキングによって乗っ取られていたのだろうか?
でもそうなると何でわざわざアフリカに寄ってから半円形なんて軌道を描いたのかが分からない。
勝手に飛んだにしては動きがはっきりしてるし、意図的に飛ばしたのなら航路が不自然だ。





『一定の地域で何かを探している、とか?』
ハルキが答える。
更にムラクが口を開く。
『あるいは、この範囲から外に出ることができない。そういうことか?』


ジェノック知性派の3人が立てた仮説は『ハッキングされた範囲で何かを探している』と言うことだった。
これなら、意図的に動かされていながら軌道が不自然だったこと、デスフォレスト付近で急に墜落した事の両方に説明がつく。
流石一部隊を率いていた隊長達だ。頭も切れる。
なお、これらの会話にスズネやヴァネッサは一切口を挟まない。理由はお察しください。
だが飛行経路の謎が解けたところでハッキングの理由や犯人がわかったわけでも無い。
生徒会役員は再び頭を抱えるのだった。





その夜、ペンギン荘の一室でマヤ・ノヴァックは暗い表情を浮かべていた。
彼女は昼のランキングバトルで丁度墜落事件が起きた現場にいた。
それどころか墜落したオーディーンMは彼女が整備したものだった。
プレイヤーのダニエル・メコリスキは主翼の付け根に亀裂が走っていたことをマヤが見落としていたのを厳しく咎める。
ダニエルはオーディーンMを開発・運用に成功した功労者だとホビージャパンで語られている。
自分が開発した愛機が整備不良で傷つくのは心外な部分もあるのだろう。



傷心のマヤの元へ来客が現れる。
グレンシュテイム高等科の門倉アンナだ。ゲームでもグレンシュテイム唯一の女性プレイヤーなので印象深い子ですね。
マヤとは同じクラスだったようだ。



『泣いていたのね』
『えっ』
『目元、黒いオイルの線が付いてるわ。』
慌てて袖でぬぐい取る。確かに黒い整備用の油が付いていた
『早くお風呂に入ったほうがいいわ』
まるでお母さんのようなことをアンナが言った
『何か用じゃなかったの?』
早く話題を変えたくてマヤは促した』
『・・・何か、悩んでいることがあるんじゃないかしら』


アンナは悩みを抱えているマヤを気遣って励ましに来たのだ。
圧倒的母性力・・・!どっかの赤い彗星なら即効で手駒にしたがりそうだ。
それに目元の線から直前までマヤが泣いていたことを一瞬で見極める洞察力。
彼女だったらスタンド使いがわからなくても咄嗟にタバコの煙を利用して炙り出す位の芸当は朝飯前と見た。
アンナの鋭い追求は実際的を得ていたが、マヤは真実を話す気になれずに誤魔化してしまう。
だがアンナを送り返す際、CCMに送られてきたメールを見たマヤの表情が固まった。
送信者不明のメールには『カエセ』と一言だけ記されていた。
コワイ!その昔チャクシンアリと言うホラー邦画があったのを思い出す。
あれ、相手の着信音を自動で映画内の呪いの着信音に変更して電話かけれるサービスがあったんだよな・・・懐かしい。








・5日目

サクヤの悪い予感は見事に的中した。
ウォータイムの最中森林地帯を疾走する二機のジラント。
その様子は明らかに正常を欠いている。なぜならば・・・

『大丈夫か!?』
『ヤバイ!足が嵌った!』
『早くしろ・・・!奴が、奴が来る・・・!』
右肩に29とナンバリングされたジラントがゆっくりと周囲を警戒するようにアサルトAR5Sとシールドを構えながら後退りで仲間のところへ向かう。
恐怖心、緊張感、そういったものが手に取るようにわかる動き方だ。
落ち着きなく左右に顔を振り、彼らを追ってくる「何か」を警戒している。
『う、うわぁあああああぁぁぁぁっ・・・・・・・・・・・・!』
『!』

仲間の悲鳴を聞き、ジラントのプレイヤーは銃を構えて警戒する。
だが、そこへ仲間のジラントの頭部が落下する。そして黒い影!
降伏や投降も構いなく無慈悲に二機のジラントは解体された。



・・・ウォータイム終了後、謎のLBXの正体はすぐさま生徒たちの間で噂となった。
誰が付けたか、セレディが操ったLBXと同じ『亡霊』(ファントム)が名付けられた。
生徒たちにとっては冗談のつもりかもしれないがワールドセイバーの残党がいる可能性を知っている生徒会にしてみればシャレにならん事態だろう。
騒ぎが大きくなってないのも、まだ暴走騒ぎの関連性に生徒が勘付いていないからなのだろう。
このあたりの顛末はHJ誌掲載のLBX列伝一三話と同じだ。
黒い影がファントムとして噂になり、マヤの部屋が荒らされる。
唯一異なる点として、錯乱するマヤを親友であるナタリヤが問い詰めるシーンが追加されていた。


『変な音がしたから覗いた。それは謝る。だが、これはどういうことだ?』
男のような喋り方でナタリヤが正面からマヤを見つめている。
『マヤ、私を見ろ』
ナタリヤが真剣な目でマヤを見つめる。両肩に乗せられた手が暖かい。
『・・・何でもない。何でもないの』
『そんなはずはない』
『いいの。放っておいて』
『マヤ』
『やめて。出て行って』


マヤが親友を無心に追い返したのは、自分が何か取り返しのつかない過ちを犯したと同時に、その騒動に親友を巻き込みたくないと思ったからだった。
悪夢のような事態にうなされるマヤを追い詰めるように謎のメールが再び届く。
日に日に悪くなっていく事態が行き着く先はどんな悲劇なのだろう?
アラタのいない今、ヒカルたちはどう動く?


2015/07/21

LBX列伝 神威島奇譚②


・3日目

いよいよ学祭の予算獲得ランキングバトルの開催日だ。
ジェノックは文化祭の予算を獲得できるのか?
その前に全校集会が行なわれ、旧ロシウスのイワン・クロスキー教官から『LBX塚への侵入をやめるように』との警告が入る。
LBX塚はロストした生徒のLBXが眠っている。
敗者には敬意を払って、静かに眠らせておけという事だ。
ジョジョのキャラクターも度々敬意を払うという考えが大切だと述べている。
SBRのウェカピポとかフェルディナンド博士がそうだ。最も後者は地球萌えをこじらせすぎちゃった結果みたいな感じだけど。
亡骸に敬意を払うのは儒教っぽい考え方ですね。イワン先生はロシア人っぽいが日本に迎合してるのだろうか。
でも学園長が勝手に忍び込んで夜な夜な怪しげな儀式をやってるんだけど。
というか、そんなホイホイ入れるユルい防犯体制にも問題がある気がする。
それにテロリストの所有物を無造作に置いてあったりなんか死者を祀ってる感がしないんですが。
安息の慰霊堂と言うよりは死体安置所みたいなイメージが強い。
敬意を払う前に防犯体制に気を使っていただきたい。




ランキングバトルがスタートすると、ヒカルはジェノックの本拠地前に陣取った。
トップランカーであるヒカルはわざわざ出向かずとも勝手に挑戦者がやってくるからだ。
同じくトップランカーであるムラクはどうなんだろう?
まあ、彼は最近バトル大好き症候群を発症してるので回りくどいことせず自分からケンカ売ってまわってるかもしれない。
笑顔ウルトラZで周囲の生徒を次々にボコッてたりしたらイヤだな。


しばらくすると上空に一機のクラフトキャリアが現れる、前日に15人も切り伏せたヒカルの元へわざわざやってくるとは相当な自身だ。
ハッチが開いて降りてきたのはアラビスタ連合の量産LBX、ヴェルネルだった。
プレイヤーは白牙ムサシ!!
優れた戦術性と隠密作戦における能力の高さからホワイトフォックスの異名を持つアラビスタ屈指のエースプレイヤーだ。
技術と頭脳の両面に秀でる手練である、相手にとって不足なし!!
ムサシは挨拶と言わんばかりに降下様にライフルで狙撃するが、ヒカルは刀で弾き返す。


『行くぞ!』
ヒカルは雄叫びをあげながらヴェルネルに迫った。
ライフルが火を噴くたびに進路を変える。
懐に入る直前でヴェルネルはライフルを投げ捨てた。
手に持っているのはナックルだ。
『イヤァァァァ!』
バル・ダイバーが刀を一閃する。居合にも似た太刀筋が残像を残しつつ振り抜かれた。
しかし手応えはない、ヴェルネルはギリギリの間合いでスウェーし、それを避けている。

ニンジャっぽい掛け声とともに、ヒカルはイアイドーでムサシに仕掛ける。
対するムサシはナックルで挑む!ボクシングっぽいスウェーバックで刀の機動を巧みに避けている。
ヴェルネルの射撃を読んで弾を弾いたヒカルだったが、ムサシもヒカルの得手である斬撃を交わしている。
狙いが正確な分機動が読みやすいのはムサシにとっても同じだった様だ。
ふいに、ヴェルネルが間合いを詰める。バル・ダイバーのボディに強烈な右フックが叩き込まれた。
対して、バルダイバーが攻撃するには間合いが近すぎる。
大刀のみが武器であるヒカルにとっては危険な距離だ。
だが、ヒカルは足払いを掛けた!
フットワークを重視するボクシングスタイルは重心を足元に置かない。途端にヴェルネルの姿勢が崩れる。
相手の弱点を瞬時に見抜く見事な状況判断だ。
まさに一進一退の接戦を広げる二人。
息切れをするほどに打ち合うが互いに有効打は取っていない。
この勝負、読めぬ・・・ッ!




『愉しいか?』
ムサシが問いかけてきた。モニターに表情は映らない。
だが、彼も微笑んでいるであろうことがわかる口調だ。
『ええ、かなり』
『そうだろう、自分もだ』
『次で決めます!』
『・・・来い!』


バル・ダイバーが刀二本分の間合いから跳躍した。空中から仕掛ける!
しかしヴェルネルはそれを避け、刀が地面にめり込む!ヒカル、痛恨のミスか!?
すかさず、ヴェルネルが拳を構える。だが、それこそがヒカルの狙いだった。
ヒカルは地面に刺さった鉄刀・鬼機丸を瞬時に手放し、掌底打を叩き込む。
咄嗟に獲物を離すことにより間合いを攪乱したのだ、ワザマエ!
さらに追い打ちで蹴りを叩き込む。ヴェルネルは要塞に激突して停止した。
ヒカルが剣術以外にも戦法を持っていたことが勝因だった。
だが、実力は伯仲していた。次に戦う時は同じ手は通じないだろう。
互いに健闘を湛えあう二人・・・だが、そこへ光弾が飛来する。
そのままヴェルネルの胸部を貫き、ブレイクオーバーさせた。



折角の勝負に水を差されたヒカルは激おこだ。
しかも、ただの乱入ではない。動けなくなった相手を一方的に狙い撃ち卑劣なやり口だ。
武士道を志すヒカルにとっては言語道断の仕儀だろう。
もっとも、ホントの武士道に即したら撃たれたムサシ先輩も士道不覚悟で罰せられそうだけど。
早速犯人探しに取り掛かるが、不可解な点が上がる。
ムサシを撃ったLBXが存在しないのだ。
サクヤが弾痕から割り出した発射地点は距離2000。
LBX単独でこの距離を狙撃するのは不可能だと断言する。
2000ってのが何の単位か知らんがメートルだとしたら約2kmって所か?それは流石に厳しいかも。
無印の6話を見返してみたがカズもジャッカルも流石に2kmも離れた位置からは撃ってなさそうだった。
そしてカズの声になんか違和感を感じた。多分、浪川さんもまだ手探りの状態だったのだろう。
まあでもそれはあくまで2000メートルと仮定した話で、ハルキ達の会話からからするとタダシやハヤテならサポートありなら出来そうな物言いだった。
それならカズでも可能かもしれない。役立たずの印象が強い無印カズだったがスペックはこの頃から一流だ。



生徒会チームが頭を抱えていたら意外な方から手がかりがやってきた。
なんと、ユウトがが自首してきた。
な、なんだってー!!!ΩΩΩ
正確に言うとユウトがムサシを撃った訳ではなかった。
戦闘中にLBXのコントロールが利かなくなり、勝手にあらぬ方向へ向かってライフルを撃ったと言う。
戦闘記録にはユウトがグレンシュテイムのナタリア・コバルスキ、マヤ・ノヴァックと交戦記録が残っていた。
再生してみると確かにユウトのロノが数秒、不可解な動きをして狙撃する様子が残っていた。
だが、生徒会一同が注目したのはロノの動きではない。
異変が発生する直前ある兆候が表れた、バンデットが現れる時と全く同じ兆候が。
生徒会役員に電撃走る・・・ッ!!



バンデットが残っていると言う事は即ちワールドセイバーの残党がこの神威大門に存在すると言う事に他ならない。
だが、そもそもバンデットのノイズはパラサイトキーをスキャニングするための電波によるものだった。
既にロストエリアがない以上、電波を発生させる意味もない。
更にLBXを操る機能をバンデットは有していなかった。
敵はワールドセイバーか?或いはその縁の者か・・・



そしてもう一つの異変は生徒会の知らぬところで密かに起きていた。
その日の夜、マヤ・ノヴァックは何かが自分の部屋へ侵入してきたことを察する。
灯りをつけた時、彼女が見たものはディ・エゼルディだった。
だが彼女が叫び声をあげ、他の生徒が駆けつけた時には忽然と姿を消していた。
単なる幻覚か?または本当にワールドセイバーの残党が残っているのか。
それともLBX塚を荒らしまわった祟りだろうか。
神威島に今、異変が起きようとしている。
2015/07/17

LBX列伝 神威島奇譚①


皆様だいぶお待たせしました。
ダンボール戦機WARS DVD-BOX スペシャル特典 神威島奇譚の感想を書いていきたいと思います。
基本は月刊ホビージャパン誌2015年3~5月に掲載されたLBX列伝十二~十四回をベースに書いていきますのでそちらと被る部分はざっくりとまとめる方向にします。
未読の方は拙文にございますが過去に感想をまとめているので宜しければそちらもどうぞ。



舞台は本編終了後の神威大門統合学園。
アラタを含む何人かの生徒が去り、政府の管轄を抜けて再スタートを切った学園は徐々に以前の日常を取り戻しつつあった。
だが、平和が訪れた神威島に再び事件が起こる。


・1日目

グレンシュテイムのメカニック、マヤ・ノヴァックがLBX塚でパーツを物色する。
そこで見慣れぬLBXを見つけた彼女は僅かな違和感を感じながらも興味本位からそれを持ち帰るのだった。
恐るべきパンドラの箱を開けたと気づかず・・・


・2日目

アラタが去った後も2年5組は神威大門の生徒としてLBXバトルの修練に励んでいた。
トッププレイヤーであるヒカルは言うに及ばず、最近はリンコがメキメキと実力を上げているそうだ。
なんと、彼女は元はプレイヤー候補でありその確かな実力からオーヴェインを駆って屍の山を築き上げていることが判明する。
オーヴェインは最後の戦いで爆発四三したのでハルキとゲンドウさんが使ってたのとは別のやつかな。
・・・ゲンドウさん、今どうしてるんだろう。



その日の夕食時、ユウトがヒカルに話しかける。
HJ連載では謎の存在だったユウトだが、本名を佐枝(さえぐさ)ユウトといい、かつてヒカルが地元のLBX大会で負かした相手だそうだ。
ユウトは神威島での事件を知りながらもヒカルを追って学園に転入したらしい。
当時のヒカルはまだ実力至上主義だったので、容赦なく叩き伏せられたんじゃないかと予想する。
それを恨むどころか、敬意を抱いて追いかけてくる辺り素直で前向きな性格であるのが分かる。
早くもヒナコと打ち解けているあたり、人に好かれやすいタイプと見た。
そんな彼だったが、ヒカルはその無邪気な性格の奥にアラタの姿を見ていた。
いまいち、彼と打ち解けられないのはその辺りに原因があったようだ。
これは今回の小説で明らかになった情報ですが連載時に予想していたコメントもありましたね。
やるな、読者の皆々様。



その夜、生徒会一同が集まって会議を開く。
議題は文化祭の予算編成についてだった。
文化祭あるんだ。その辺は本編中じゃ言及されなかったし、そもそもWARS本編の時間軸って何月だったのかよく分からん。
せめて夏服・冬服の概念があればもう少しわかりやすいと思うんだけど。


『でも、学園祭の予算をランキングバトルで決めるって不公平じゃない?』
不満げに行ってるのはユノだ。
『クラスの数は旧ロシウスが一番多いんだし、どう考えても私たちみたいなみたいな単独クラスは不利だと思うんあけど。』
『それはないぞ。毎年出し物はクラス単位での申し込みになってる。企画の取得権と予算はワンセットにして、最も得点の高いクラスが優先権を取る。クラス単位である限りは俺たちが不利になることはない。去年だってそうやってお前たちは予算を獲得したろう。障子の張替えで』


どうやら学園祭の予算はクラス毎のランキングバトルポイントによって優先順位が決まるらしい。
カゲトラが言うにはクラス単位での申請になるから国の規模による格差は生まれないらしい。
・・・ホントにそうか?
『ポイントが一番多い生徒が居る国から順に』とかならわかるけど総ポイント数で決まるんだったら結局数が多い方が有利なのでは?
ジェノックはランカー上位のヒカル、ムラク、ハルキがいるけどハーネスとかポルトンは死亡確認ですよ。
普段参加しない生徒会チームも今回はクラスの一員として参加するらしい。
そこで、ムラクが急にヒカルと戦いたいといいだす。
ヒカルを倒せばジェノックに大量のポイントが入り、同時に強い奴と戦いたいムラクも満足できるって寸法だ。
一応、生徒を管理する生徒会役員という立場なのにムチャクチャな事を言うヤツだ。
神威島事件が終わってからというものの、ムラクは時折こんな突拍子もないことを言うらしい。
もっとも『まとめて片付けてやるから死にたい奴から前に出ろ』とか言い出さないだけまだマシかもしれない。
周りの者は皆『アラタが乗り移ったようだ』と思っている。
かつてバイオレッドデビルだった頃の彼は利用されるだけの生徒に対し、心を鬼にして確実にロストさせる戦い方をしていた。
今は楽しくLBXバトルが出来るようになったし、むしろこっちのほうがムラクの素の性格なんだろうな。
だが、このドリームマッチはハルキから『ポイント目当てでムラクとハルキが八百長試合をしたと疑惑を持たれかねない』という意見が出てうやむやになってしまう。
正直、このふたりのバトルは物凄く見てみたい。
WARS13話で少し戦ったがあの頃はまだヒカルは仲間を信頼してなかったしムラクもバイオレットデビル状態だったりでムラクの圧勝だった。
今やったらどっちが勝つのか予測は難しい。
マグナオルタスもバル・ダイバーも高速機だしアクロバティックな戦いを見せてくれることだろう。





その頃、マヤ・ノヴァックは持ち帰ったLBXを解体していた。
CCMでパーツを解析している最中、突如ノイズとともに日記のような文が現れる。


『1985年10月14日。大規模な敵の攻勢が始まる。ジャングルの奥深くに潜伏した我々を、多数の政府軍部隊がおってくる。斃れた仲間の遺体を放置し、本拠地へともどる』

『1985年11月30日。私の故郷によく似た村を見つけた。だが、そこには既に政府軍が到達しており、村人たちは虐殺されたあとだった。我々とは何の関係もないのに、あらぬ疑いを掛けられたのだろう。子供ですら容赦なく後ろから撃たれていた。奴らのやったことが許せない』

『1985年12月25日。私が追い求める自由と正義を目指す戦いが突然終わった。雇い主が突然、我々との契約を解除したからだ。私の目指していたものはいったい何だったのか。それがわからなくなる。』

『1978年3月1日。新たな任務だ。反政府ゲリラが率いる小規模な難民キャンプがあるという情報を得た。今からそこを襲撃に行く。』

『1987年3月2日。難民キャンプの襲撃に成功した。そして、そこには私が中米で見た光景があたt。見渡す限りの死体。男も女も老いも若いも関係ない。そこにあるのはあらゆる形の死だ。私は何をしているのか。』

『1992年5月25日。新たな任務地に到着した。綾部も一緒だ。我々は自分たちの行く先を選ばない。それが傭兵の役割だと考えるからだ。だが、ここにあるのは戦場ではない。ただの殺戮だ。そして私は殺戮者だ。』

『2006年9月8日。退院の日を迎えた。左手は義手になってしまたt。だが、私はまだ戦える。』

『2018年1月1日。雇い主である政府の裏切りにより、私の部隊の大半が失われた。これまで築き上げてきたものを全て奪われた。私はいつまで奪われ続けるのか。青春を奪われ、理想を奪われ、今度は仲間まで奪われた、もう十分だ。』

『2018年7月1日。ワールドセイバーとの接触に成功。彼らの信頼を得るために活動を開始する。』

『2019年2月9日。某国大統領の暗殺に成功。撤収の際に警備部隊と交戦になり足に銃弾を受けた。だが、それと引き換えにワールドセイバーの信頼を得ることができた』

『8月15日。綾部を磯谷財閥に送り込んだ。綾部は年齢的に戦場に出るのは限界だと言っていたがそんなことはどうでもいい。目的を完遂することさえできれば』

『6月8日。イノベーターと名乗る組織が接触してきた。オプティマという新しい技術の話を聞き、私は自分の体で試すことにした。どんな結果が出るのか楽しみだ。』


そこで日記は終わっていた。


HJ連載時には公開されなかった日記の内容が明かされた。
この日記を書いたのはセレディ・クライスラー本人で間違いない。
セレディの人生には謎が多い上にアニメとゲームとで片方しか出てない情報があるなど、かなりややこしい。
この件に関しては当初ここで書いていたのですが、長くなったし本編とはあまり関係がなかったので後ほど別件でまとめます。
異変を感じたマヤは、同時に自分の前を黒い影が横切ったのに気づく。
この辺は、HJ連載と同じですね。
気になっていたユウトだったがジェノック版剣菱ワタルみたいな少年だった。
そういえばゲームだとワタルやデスワルツブラザーズの様なロスト組は本編終了後学校にしれっと戻ってきていた。
アニメ世界だとロスト組が復帰したりとかできないんだろうか。
ワタルが成長を重ねてガウンタ・イゼルファーを受け継ぐ的な燃える展開があるとよかったのになぁ。
リンコがオーヴェインを使ってるし、ユウトは是非バル・スパロスを受け継ぐような成長を遂げていただきたい。
印象が最悪なまま爆散したんで、是非汚名返上の機会を・・・!


2015/03/27

LBX列伝 第十四回


LBX列伝最終回!



・・・って最終回?ナンデ!?最終回ナンデ!!!??
その理由については後述するとしてまずは本編をご覧になっていただこう。





名称未設定 2

突如蘇った神居島の悪夢、ディ・エゼルディ!なぜ復活したのか!一体何が目的なのか!?
数多の疑問を抱いたままついにヒカルはディ・エゼルディに遭遇する!
って、死んどるがな。
オイイ!見開きで思いっきり死んでるんですが!?仮にもラスボスだった存在なのにこんな出オチ芸人みたいな扱いでいいのだろうか?
まぁ、イフリートもシミュレーション上でエンペラーM5に倒されたりとかしてたけどさ・・・




「ヒカル先輩!」
「先輩と一緒に戦えて、僕めちゃくちゃ嬉しいっす!」
両手に力を込め、まっすぐにヒカルを見ている。
「・・・・・・はぁ」
深くため息をつき、ヒカルはユウトに訊いた。
「お前、何のLBXを使うんだ?」
「はい!ヒナコに頼んでコレを借りてきました!スキュレイム。以前ポルトンのメカニックが開発したオリジナルの機体です」
自信満々に見せつけてくるユウトにヒカルは頭を抱えた。
「まぁ、足でまといにならないように気をつけろ」



前々回から名前だけは出ていたユウトがついに登場した。
ヒカルにとって付き合い難い相手と言うぐらいしか分からなかった彼だが、どうもムラクに対するワタルの様な後輩ポジションの様だ。
だいぶ改善されたとは言え元より人付き合いは苦手そうだったヒカルだけに、こういう手合いは相手しにくいのだろう。
とりあえず私の予想は外れたようだ。
いや、まだ脳改造を受けて幼児退行したカイトの可能性が消えたわけでは・・・(ねぇよ
あと、ヒナコがスキュレイムを持ってるのはゲームネタですね、ゲームだとカナロアじゃなくてスキュレイムが愛機なんだよなー。
そう考えると彼女はアニメ、小説、ゲームとすべての媒体で愛機が違う珍しいキャラですね。



「・・・目標発見!」
ヒカルが叫んだ。遠くにディ・エゼルディが倒れているのが分かる。
機動はしていないようだ、今のうちに確保すれば損害を出さずに済むかも知れない。
「・・・死んでる・・・」






gyagmangabiyori-sinderu-thumbnail2.jpg

これを最初に読んだとき上の画像が頭をよぎりました。
いよいよもって芸人めいた存在になってるな。コイツを動かしてるのは吉本興業だったりとかそういうオチか?
だが、エゼルダーム勢のしつこさを知るヒカルは油断なく鉄刀・鬼機丸を逆手に持ち、キリタンポめいてディ・エゼルディを刺し貫く。
やはり反応がない、なんのトラブルもなくディ・エゼルディを確保することに成功した。
ば・・・馬鹿な・・・簡単すぎる・・・あっけなさすぎる・・・!
これで終わりなのだろうか??




・・・その時だった。モニターにノイズが走り始めた。
『ヒカル、退避しろ!奴が動く!!』
「ダメだ!」
ヒカルはぐっとスロットルレバーを握り締めた。
「こいつが何故動くのか、それを知るのが先だ!」
ヒカルは叫んだ。ノイズの走るモニターの中で、大きく映し出されたディ・エゼルディの機体に変化が起きるのが分かッた。
頭部に光が宿る。大きく深呼吸するように胸が動いた。
刀で串刺しにされているのを気にも留めないようにディ・エゼルディは鼓動を始めた。
「くそっ!」
ヒカルは刀を捻った。ボディの傷口が広がる。
その痛みを感じたのか、ディ・エゼルディが咆哮を上げた。
うおぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・・・・ん



キャアアアアシャベッタアアアアア!?
LBXは喋りますか?おかしいと思いませんか、あなた。
芸を披露したかと思ったらついに喋り始めたよ。一体どうしたと言うんだディ・エゼルディ!何故ここに来てそんなよくわからないキャラ付けを!?
でもガンダムだって喋るんだからLBXが喋ってもおかしくない・・・のか?
アニメでグレイビーストが拡声器でエゼルダームに投降を呼びかけたりしてたから音声出力はできるんだろうけど。
ていうか喋るのはいいとしてもなんで孤独のグルメのゴローちゃんみたいな声なんだよ。
焼肉食べるの?人間火力発電所なの?
LBXを暴走させる時っていうのはね・・・なんていうか救われてなきゃダメなんだ。一人で、静かで、豊かで・・・
どっかの人型汎用兵器のごとく吼え猛り、暴走を始めるディ・エゼルディ。
赤いエネルギーをまとったディ・エゼルディは魔法陣の中からソードビットを・・・
って魔法陣!?魔法陣ナンデ!?
どんどんディ・エゼルディのキャラがわからなくなってくる。なんだ、こいつが勝手に動くのも暴走するのも喋り始めたのも全部魔法だったからだな、納得したわ(白目)
ケオスの極みとも言える状況だが、そこへヒカルのもとへG・シュッツェ、マグナオルタス、スキュレイム達の増援が到着する。


『アタックファンクション・ビッグバンスラッシュ!』
G・シュッツェが構えた日本の剣を振り上げた。そこに真っ赤なエネルギーが集まる。
そしてG・シュッツェはそのエネルギーを巨大な一本の剣としてディ・エゼルディに叩きつけた。
「僕だって!必殺ファンクション!」
続いてユウトが仕掛ける
「アタックファンクション・ライジングボム」
胸を突くような衝撃音とともに爆発が起きた。誰もがこの一撃でディ・エゼルディを止められると思ってしまうほどの威力だ。
だが、こんなもので終わるはずがない。
ヒカルは確信した、そして鉄刀・鬼機丸を構え直す。
「・・・来る!」
ばっと黒煙の中から黒い影が飛び出した。まるで動物のように跳躍し、ユウトのスキュレイムに向かってくる。
『えっ!?』
ユウトの機体が反応するまもなく上下に両断された。


貴重なスキュレイムが!!!
借り物なのにあっさり爆発しちゃったァーー!
これはユウトさんのケジメ案件では?決断的にランバトに潜って延々とヒナコちゃんと戦うマラソンが始まるよ!
WARSをリメイクする際にはパーツ設計図のドロップ率を調整して下さいお願いします。
スキュレイムをスレイしたディ・エゼルディは返す刀でバル・ダイバーに襲いかかる。
檻から放たれた肉食動物めいて空中からディ・エゼルディが迫る!!
ヒカルは咄嗟に鉄刀・鬼機丸を掲げ、ケバブめいてディ・エゼルディを受け止める。
だが、勢いづいたディ・エゼルディはそのまま倒れこみ、バル・ダイバーのマウントを取る。
イヤー!右パウンド!グワー!
イヤー!左パウンド!グワー!
かつてのアラタとの決戦の時のようにサブミッションでバル・ダイバーの関節を破壊にかかるディ・エゼルディ。
だが、その時である!!



『やめてっ!』
そこで誰かの声が入った。聞き覚えのある声だ。
『やめて!お願い!』
マヤ・ノヴァックの声だ。クラフトキャリアが上空に漂っている。
と、ディ・エゼルディの力が弱まった。
その隙にヒカルは抜け出した。
『お願い、もうこれ以上私の友達を傷つけないで!』
マヤが大きな声で言った。ディ・エゼルディはそれに聞き入るかのように立ち尽くしている。
クラフトキャリアがゆっくりと地上に降り立つ。そして後部ハッチが開いた。
そこから1機のLBXが出てきた。
グレンシュテイムの主力機、G・ユーグフラオだ。
『あなたが必要としているのは、きっとこの中にあるはず。それを渡すから、みんなを開放して』


突如ナウシカめいて降り立ったのはグレンシュテイムのマヤ・ノヴァックだった。
一連の騒動が自分の手元に有る謎のパーツにある事を気づいた彼女がディ・エゼルディに直談判に来たというのか?
LBXとの対話を試みるという一見すると狂気の沙汰のような行為!
だがディ・エゼルディは彼女の言葉を理解しているかのように反応しているのだった。
しかし、ヒカルが二者の間に割って入る。
ヒカルはディ・エゼルディの恐ろしさを身を持って知っている。彼女とディ・エゼルディが接触することで何らかの危機的状況が発生するのを未然に防ぐ構えだ。
だが、ムラク、ハルキ、野獣先輩といった生徒会連合の面々はマヤの行動を支持。
ヒカルに撤退するよう促し、ヒカルはディ・エゼルディを仕留めたい気持ちを抑えてクラフトキャリアーで撤退する・・・というところで話が終わる。



なんだか随分中途半端な終わり方をしているように見える。
が、その訳は本誌にてLBX列伝のタイトル下の一文に記されている。
曰く、「これまで掲載した神威島編3話は5月27日に発売されるダンボール戦機WARSDVD-BOXのBOX2に収録される書き下ろし小説を一部抜粋したもので、この話の続きはそこで明かされる」との事だ。
つまり、列伝自体はヒロを救出した時点で終わっており、3月号からの展開は特典小説の先行配信という形だったという事になる。
う~ん、仮にそうだったとしてもヒロは意識不明のままだしワールドセイバーは取り逃したしで結局未消化で終わってるのには変わりないな・・・
普通にまだまだ全然続いていくものだと思っていただけに今回のこの知らせは衝撃的だった。
実際ホビージャパンとしても既に終わってしまった作品に対してよくやってくれたいう気持ちはありますけどね。
ただ、続きはWEBで!ならぬ1万円以上もするBOXを買わなければ読めないという展開は賛否が分かれるところだと思います。
これを尻切れトンボな投げっぱなしエンドと取るか、本来BOXを買わなければ読めない小説を一部だけでも読ませてくれたと取るかで意見は分かれそうですね。
個人的にはディ・エゼルディが動いた理由だけでも明かしておくか、或いはバン&アラタサイドの話を綺麗に終わらせるなどしてどういった形でもいいからスッキリ終わって欲しかったという気持ちが強いですね。
なんにせよ1年以上も続いた連載だけに終わってしまうと喪失感が半端ないですわ・・・
それに現状で唯一続いていた公式メディアでのダンボール戦機の連載ですから余計に。
とは言え終わってしまったものは仕方ありません。
とりあえず今は3月31日発売の列伝公式ムックに向けて備えよう!



列伝ムック

今月のカラーページは2ページのみ。
ともに列伝ムックの大まかな内容説明となる。
全14回分になる列伝ストーリーに加え書き下ろしイラストが3点新規収録される模様。
ひょっとしてこれまでに使用されたイラストのノンクレジット版の収録もあるかも?

作例は作りおこしがあるかは不明ですが雑誌掲載分はすべて収録される模様。
ワールドガイドは再編成するとのことなので新しい情報が見つかるかも。
urahana3さん&古島さんのコンビによる作例3点も当然収録!何度見ても感動できて実際お得です!!!
最後に神威大門編の列伝ストーリーが収録されるのはDVD-BOX2の方ですよ!
1の方は小説の代わりに設定資料集がつきます。
まぁ、BOX買う人はどっちも買うと思うけど




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